逃げ出した先には駅があった。もう日が暮れているというのに、行きかう人々は時間を感じさせないほどに騒がしい。
その人ごみはすべて出て行った僕から見たらあまりに元気すぎ。
せめて、少しでも、斜面を転がらないように。
少しでも踏みとどまれるように。

その力が欲しかった。純粋だった。その瞬間は。

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私が望もうが望まなかろうが、人々は働くし、アホどもは騒ぐ。電車だって、大概の事じゃスケジュールも狂わない。

花が咲いているんだ。
雨が降ろうが風が吹こうが咲き続けている。
いろんな花が咲いている。それは寄ってきた虫を食い殺す食虫植物かもしれないし、ただ無駄に咲き続けるだけの花かもしれない。

でも、咲いている。
それじゃあ、私は?

さしずめ空気といったところだろうか。傍観者にはそれがお似合いだ。

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